「楽」であることは治療的にも有効である!


今回は書籍の紹介です。

 

 

昨年に出たこの本、

 

 

この本を読むまでは知らなかったんですが、

主にPTSDやトラウマのセラピーに対して用いる理論みたいですね。

 

個人的に2018年で読んだ中で一番良かった本です。

 

ざっくり言うと「安心」「安全」であることが、自然治癒力を高めていくといった内容です。

 

最初の方の章で、理論の大まかな説明をしてその後の章では、対談形式になっているので堅苦しくない印象でした。

 

 

それでも自律神経の話や聞きなれない単語は出てきたので、

 

 

さらっと読むことはできませんでしたが(汗

 もともと本を読むのは遅い方なんです(笑

 

 

僕が日頃から言っている「楽」であることが治療においても重要なんだなと再認識しました。

 

 

では簡単に紹介していきたいと思います。

 

副交感神経=リラックスではない!?

いきなり飛ばしてきましたね!

 

 

副交感神経というのは、交感神経と合わせて自律神経と言われています。

 

 

この2つの神経は、片方の神経が興奮している場合もう片方の神経は抑制されるといった相反神経支配というものを受けています。

 

 

例えば血管は交感神経が優位になると収縮し副交感神経が優位になると拡張しますし、

 

 

胃腸などは交感神経優位で活動が抑制、副交感神経優位で活動が促進されます。

 

 

交感神経はその働きから、

「活動的」「攻撃的」「興奮」などをイメージすることが多く

 

反対に副交感神経は

「リラックス」「安心」「休息」などがイメージしやすいと思います。

 

 

自律神経を整える系のメロディーやアイテムなんかも

 

 

どちらかというとこの副交感神経を働かせるためのものが多いように思います。

 

 

このイメージは大体としては合っているんですが、

 

 

副交感神経=リラックスというのは少し説明が不十分であると言えます。

 

 

本当にヤバイときは副交感神経が優位になっている!?

実際に僕は経験がありませんが、

 

よく漫画とかでも

 

「ビビりすぎてお◯っこちびっちゃったよ、、、」

 

みたいなシーンあるじゃないですか?

 

先ほどの話でいうと、

「興奮」や「闘争」は交感神経が優位になるので

 

「怖いとき」や「逃げたいとき」というのは交感神経が優位になっているはずです。

 

 

交感神経が優位になっていると排尿系の器官は抑制されるので

 

 

この通りであれば、

実際にはビビってチビることはありえないのです。

 

 

生物学的にいうと、自分の生命の危機に瀕するような「ヤバイ」自体が起きた場合

2つの選択があるそうです。

 

1つは先ほどの交感神経が優位になって「戦う」もしくは「逃げる」といった選択肢

 

 

2つ目は諦めて苦痛を最小限に抑えようとする選択肢です。

 

 

2つ目の方は、抗っても自分ではもはやどうしようもできないと悟った時に出る反応で爬虫類などによく見られる「擬死」と言われる類のものです。

 

 

たまに「血を見て気を失う」という人が周りにいたかもしれませんが、これもそれに当たると思います。

 

 

いわゆる迷走神経反射と言われているやつですね。

 

 

これは副交感神経の支配のある迷走神経が過度なストレスなどで刺激され、血管が拡張しすぎて、脳への血流量が低下するために意識消失など引き起こす反射のことです。

 

つまり自律神経というのは、交感神経=興奮、副交感神経=リラックスとも安易には言えないということです。

 

2つある副交感神経

副交感神経=リラックスということは間違いではありません。

 

しかし副交感神経には大きく2つの種類が存在するとのことです。

 

1つは僕たちが普段から使っている意味での副交感神経。

これは有髄の副交感神経でこれが興奮することで、リラックスし社交性が高まり社会的な営みが可能になると言われています。

 

もう1つが無髄の副交感神経で、先ほどの「擬死」などに関係する神経です。

 

 

自立神経は交感神経とこの2つの副交感神経を合わせて階層になっていると言われています。

 

 

もっとも最下層が無髄の副交感神経、その次が交感神経、最後が有髄の副交感神経です。

 

人間は自分の生命に危険がないと判断した状態の場合に有髄の副交感神経が優位になり社会的な営みが行えるようになります。

 

しかし、自分の生命に危険を感じると交感神経を優位にし自分やその家族を守ろうとする働きが起こります。

 

ですがそれすらもままらない、絶対的危険が迫ってきた場合は自分の生命を守るために最小限の被害で済むように身体を停止させてやり過ごそうとします。

 

 

このような順番で人は自分の生命を守っています。

 

 

人よりも発達していない、例えば爬虫類の場合は、一番上の有髄の副交感神経がなく無髄の副交感神経が発達しているので、生命の危険が迫るとよく「擬死」を使うと言われています。

 

 

危険を感じるトリガーは人によっても異なる

この自律神経の働きは、簡単にいうと自分の命を守るために働いていると言えます。

 

 

命の危険を感じる状態になると交感神経や無髄の副交感神経が働くのですが、

 

 

ややこしいのが命の危険を感じる状態というのは人によって異なるということです。

 

 

先ほどの迷走神経反射でもそうですが、

 

 

自分の血をみて失神する人もいれば、血しぶきを見ても何もない人もいるわけです。

 

そんな人でも狭いところに入るとダメだったり、

(この著者はMRIが苦手だったようです)

 

 

本当に人によって危険と感じるトリガーは異なっています。

 

臨床での活かし方

僕は普段からトラウマやPTSDの方を対象に臨床しているわけではないのですが

「安全」「安心」に配慮する必要性は、普段僕らが担当する患者さんや利用者さんにも同様にあると思っています。

 

 

僕たちが担当する人たちは、骨折後の手術や脳卒中後の方など身体的にも精神的にも負荷がかかっている方たちばかりです。

つまり自律神経系もバランスが崩れている状態になりやすいと考えられます。

 

 

僕は自律神経に直接働きかけるような手技のことはよくわかりませんが、

 

 

利用者さんや患者さんの「安全」や「安心」に配慮して臨床を行っていくことが自律神経のバランスを整えることにつながり、

 

 

治療効果を高める上で重要であると再認識できました。

 

 

有髄神経の副交感神経が優位になることで、人間の社会的な営みが可能になるだけではなく

 

 

自然治癒力も高まるとされています。

 

 

セラピストである以上、自然治癒力頼みになることは個人的にはよろしくないとは思いますが

 

 

使えるものは最大限使っていくべきだとも思っています。

 

 

僕の場合はこれに「楽」ということを加えて常に意識するようにしています。

治療効果を高めたい人は、まず患者さんの「安全」「安心」への配慮を行ってみてください。

 

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