変形性股関節に対してのトリガーポイント的な介入について

トリガーポイント

どうも!

脱力系理学療法士のおはぎです!

 

今回は疾患別に見たトリガーポイント的介入シリーズで、変形性股関節症についての介入についてです。

変形性股関節症も回復期の疾患としては、比較的見ることの多い疾患だと思います。

今回も個人的な経験も含めて介入方法など紹介していきたいと思います。

 

概要

変形股関節症とは多くは女性に発症し、関節の適合性の低下などから、関節軟骨の磨耗、変形をきたす疾患です。
症状としては、初期では立ち上がりや歩き始めの痛みを訴え、進行するにつれて徐々に安静時にも痛みを訴えるようになるとされています。

変形性股関節症には一次性と二次性があり、多くは一次性です。その場合、臼蓋形成不全などの子供の時の障害や発育障害の後遺症が多いとされています。

 

治療について

保存療法で痛みが取れない場合、人工骨頭全置換術骨切り術などが行われます。

保存療法の場合、痛みのある動作を確認して過剰使用している部分の負担を減らすことや、不安定性のある部分の筋力強化を行うことも大切です。

その他には体重増加によるストレスも考えられるので、ダイエットなどを並行して実施していくこともあります。

参考

「変形性股関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。関節症が進行すると、その痛みが強くなります。

 

リハビリ介入

トリガーポイントリリース

変形性股関節症の患者さんで多いのは、股関節周囲の痛みと腰の痛みが訴えとして多い印象です。

股関節周囲の痛みの原因となりうるトリガーポイントは、かなりの数あります。

その中でも

  • 内転筋群
  • 中臀筋
  • 大腿筋膜張筋
  • 梨状筋 

が特に頻度としては多い印象です。

腰の痛みの場合は、

  • 脊柱起立筋
  • 多裂筋
  • 大腰筋、腸骨筋

などが挙げられます。

腰の痛みに関しては、基本的には股関節の自由度が低いため、腰が動きを代償し上記の筋の過剰使用を起こすと考えられます。

 

これらの筋は、人口骨頭全置換術後に筋を一部切っていたり、筋自体には直接損傷がなくても術創部周囲の血流は障害されやすいためトリガーポイントが形成されやすいと考えられます。

また外科的治療をしていない場合でも、筋の支持ではなく骨盤を前傾させるような骨性の支持に頼った動作パターンになってしまうと、股関節周囲の筋に過剰なストレスが生じてしまうものと考えられます。

この場合伸張ストレスもありますが一部の筋が過剰収縮している場合もあると思います。例えば荷重が乗りにくくなることで、股関節が安定せず、中臀筋や梨状筋などが過剰に働いてしまうなどがあります。また骨盤が前傾位になることで、梨状筋が股関節の外転作用を持つようになるため、股関節の保持に過剰に働いてしまうということもあります。

 

股関節と腰の痛みに関してのトリガーポイントセルフケアは以前の記事を見ていただけたらと思います。

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今回は以前の記事で紹介していない梨状筋のトリガーポイントについて紹介しておきます。

梨状筋

梨状筋のトリガーポイントは上記のような臀部の外側に痛みが出ることが多いです。

梨状筋は深層外旋六筋と言われており、その名の通り、大臀筋や中臀筋などの臀筋群の深層に位置しています。

そのためトリガーポイントを触知することが他の筋と比較し難しいことが多いです。

ランドマークとしては、ASISと坐骨結節を結んだ線と大転子とPSISを結んだ線の交わるところに好発部位があります。

ここに対して虚血性圧迫を加えてリリースをしていきます。

 

骨盤調整

変形性股関節症の患者さんの場合、股関節の自由度が低いことや可動域が制限されていることは多いですが、股関節の動きというのは骨盤の動きも伴います

 

そのため、股関節に対してアプローチを行っていく場合、同時に骨盤に対しての評価・アプローチが必要になると私は思います。

 

骨盤には2つの関節があります。それは仙腸関節恥骨結合です。

恥骨結合は滑膜関節では無いので、明確な動きというのはありませんが、仙腸関節と共同して下肢からの荷重を分散させる働きがあります。

特に梨状筋は股関節の深部にあり、仙腸関節の安定性に関与すると言われています。先ほど紹介したように、変形性股関節症の患者さんの場合、梨状筋はトリガーポイントを形成しやすい部位であるため骨盤の動きにも影響を及ぼしているものと考えられます。

 

梨状筋が硬くなる事で仙腸関節を過剰に圧迫されます。またハムストリングが硬くなる事で仙骨をカウンターニューテーションに誘導されてしまう事で不安定が高まることもあります。

股関節周囲のトリガーポイントの形成により筋出力が低下すると、荷重時に股関節を安定させるため、骨盤前傾させて骨性の支持を優位に使うようになります。それにより筋力低下がより進行、変形の助長を起こす可能性があります。

 

骨盤に対しての評価・アプローチはこちらの記事を参照ください

骨盤調整を少し「楽」にする知識〜評価からアプローチまで〜
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立位姿勢へのアプローチ

 

代表的な姿勢としては、股関節の伸展制限や先の股関節周囲の支持性低下を代償して骨盤前傾位の形を取っている事が多く見られます。これは骨盤を前傾い被覆率を上げて股関節周囲の安定性を保障していると考えられます。

骨盤が前傾が増強することで腰椎の前弯が増強し腰椎の痛みを引き起こしたりする可能性があります。

 

運動療法

トリガーポイント的に考えると、腸腰筋や中臀筋のトリガーポイントにより筋出力が低下したり、股関節周囲のトリガーポイントにより柔軟性の低下、痛みによる防御性収縮などが出現することで股関節の可動域制限が出現し、動作時に膝関節を過剰使用してしまう傾向にあります。

 

運動療法としては荷重下で股関節をしっかり使えるようにしていく必要があるのすが、その際によく行う運動が起立着座動作とスクワット動作です。

 

しかし、ただ動作してもらうだけではもともとの動作パターンで行ってしまうため、2つ意識をしていただくポイントがあります。

1つは荷重位置、もう1つは膝関節の角度です。

荷重位置

意識する位置は脛骨直下への荷重意識です。

変形性股関節症の方に限ったことでは無いですが、母趾球荷重が強い場合は、骨格的に不安定になるので、筋の過剰使用を起こしやすいと考えられます。

参照

「楽」な姿勢の作り方
リハビリではよく姿勢を修正することで、患者さんの問題点に対してアプローチを行うことがあります。 ですが姿勢の修正と一言で言っても内容はその他人事で異なるのでその分複雑化してしまいます。 ですが、自分の中で一つ指標...

 

膝関節の角度

股関節がうまく使えていない人の場合、膝関節で動きを代償しやすいため、スクワット動作などではすぐにつま先より膝関節が前に出てしまいます

 

それでは膝関節に加わるストレスが大きいので、股関節だけでなく膝関節の痛みを引き起こしてしまう可能性があります。そのためつま先を膝関節を越えないように意識することで股関節の動きを促通していきます。

 

 

最後に

今回は変形性股関節症に対して、トリガーポイントの知識と個人的な経験を踏まえて紹介させていただきました。

 

明日からの臨床の参考になればと思います。

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