ストレッチ×トリガーポイント〜「楽」に伸ばせるようになるために〜

トリガーポイント
StockSnap / Pixabay

どうも!

脱力系理学療法士のおはぎです!

 

ストレッチはリハビリ場面だけはなく、スポーツ分野や自主トレーニングなどでも行っている極々一般的なものです。

 

 

今回はそのストレッチについて、一般的に言われている事+αトリガーポイントの考え方を交えながら、話していきたいと思います。

ストレッチの種類

ストレッチは単純に筋肉を引っ張っているだけではありません。

実際は伸ばされている筋肉には様々な神経的な反応が見られています。ここでは簡単ながら反応によってのストレッチの種類を紹介します。

 

スタティックストレッチ

静的ストレッチとも呼ばれます。筋肉に対して持続的伸張をかける事でゴルジ腱器官にある1b繊維を興奮させる事で、対象の筋肉を弛緩させる方法です。ここでは1b抑制と言われる反応が伸ばしている筋肉にみられ、筋肉の緊張が軽減していきます。まだ術後間もない患者さんで自分で動かすことに抵抗が強い方、痛みが強く自分では動かせないような方に使用する事が多いです。

 

1b抑制とは、簡単に説明すると筋肉が継続的に伸張されると「これ以上伸びたら筋肉が切れちゃう!」という感じなって、筋線維が切れないようにするため元々の筋緊張を自ら抑制し伸びやすくすることで損傷を防ごうとする反応です。

 

ダイナミックストレッチ

動的ストレッチとも呼ばれてます。伸ばしたい筋肉の拮抗筋を収縮させる事で、相反抑制を利用し筋肉を弛緩させる方法です。リハビリでは持続的に伸張を加えることで疼痛や防御性収縮が出てしまう患者さんなどに使用する事が多いです。

 

相反抑制とは、筋肉は基本的には前と後ろ、外側と内側というように反対側の筋肉とセットになっており、片方が収縮て関節を動かす場合、もう片方の筋肉はなるべく弛緩して関節の動きを邪魔しないようする反応です。野口三千三先生の書籍でも最大限のパフォーマンスを出すためには、少なくとも半分以上の筋肉が休んでなければならないとあるはこの相反抑制の部分の事なのかなと個人的に思っています。

 

この他にもPNFのホールド・リラックスなどを用いた方法などストレッチには様々な方法があります。

ストレッチは難しい?

ストレッチの方法自体は様々な書籍も出ていますし、特別難しいものでないと思います。

 

最近では開脚ブームなどもあったりと柔軟性に対しての関心が一般の方にも向いてきているのはリハビリ業界の人間からしたらとても嬉しい事です。

 

 筋肉自体がそこまで柔軟性の低い状態でない場合や、根気よく気長に趣味でストレッチを行う場合なら特に問題ありませんが、柔軟性が低い方が可動域を広げようと無理にストレッチをする事はあまりオススメしません。
怪我や何らかの不調により、筋肉の柔軟性が低下してしまっている場合は、ただ筋肉をストレッチするだけではなかなか変化がみられないこともあります。
特にリハビリを受けていられる方の場合は、手術後や病気が発症されてからの安静期間や術創部周囲の循環不全に加えて、加齢による筋肉の柔軟性低下などもあるため、ただ伸ばすだけではいかんのです。

 

さらにいうとストレッチは過剰に行うと筋繊維自体を痛めてしまうだけでなく、過剰な伸長はトリガーポイントを形成しやすくしてしまうので注意が必要です。こちら側が患者さんの可動域を拡大や疼痛の軽減を図るために行っている事が逆に疼痛を増強させてしまっているかもしれません。

 

普通に伸ばしただけでは筋肉は伸びない?

トリガーポイントが形成されている、もしくはトリガーポイントではなくても筋硬結や筋スパズムの様な弛緩不全を起こしている部分がある筋肉をストレッチする場合、全体的にストレッチをしてもその弛緩不全を起こしている部分が確実に伸びるわけではないと言う事です。

 

 

例を挙げると、皆さん硬いゴムと柔らかいゴムが混在している1つのゴムがあるとして、それの端を持って引っ張るとどうなると思いますか。

 

 

おそらく、硬い部分のゴムは伸びずに、柔らかいゴムだけが伸びると思います。

 

 

筋肉も全体的に固くなるというより、筋節ごとに短縮を起こすので部分的に硬いところと硬くないところができています

 

 

そのため、筋肉をストレッチする場合なるべく硬いところだけを狙い撃ちして伸ばしていく事が重要になってきます。

 

 

じゃあその硬いところをどのように見つけるか?ということになるのですが、その際にトリガーポイントの知識があると比較的「楽」に見つけることができます。

 

トリガーポイント×ストレッチの手技

トリガーポイントを使用した手技にASTRと言われるものがあります。

これはトリガーポイントができている部分を手で直接押さえながら(書籍ではフックと言います)、筋肉を伸張させるといった手技で ストレッチの種類でいうとダイナミックストレッチに分類するものだと思います。

 

しかしこれは相反抑制を利用しているというよりかは、トリガーポイントや筋膜の癒着などを直接剥がしていくような手技なので、正直メチャメチャ痛いです、、、。

 

うまくできるようになれば痛みも少ない(不快感が少ないだけかもしれません)と思いますが、正直自分はまだそこまで上手くないです(汗

 

ですがこれはただ全体を伸ばすストレッチの不利な点を補ってくれるので、症状によってですがかなり使用頻度は高いです。

 

トリガーポイントを併用することの利点

ASTRのようにトリガーポイントの要素をストレッチに加えることでの利点としては、

 

  • トリガーポイントと同様に症状によって伸ばす筋肉が判断できる
  • 関節可動域制限がある方の筋肉も効率よく伸ばす事ができる
  • 硬い部分のみを効率よく伸ばすため、それ以外の筋肉を損傷させるリスクが少ない
  • 虚血性圧迫が苦手な人にも使用できる

などが挙げられます。

 

症状によって伸ばす筋肉が判断できる

これはトリガーポイントの利点とほぼ同じ内容になっています。

参考

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私の個人的な意見ですが、ストレッチにおいてもマッサージなどでも一番大切なのはどの筋に対して行っているのかが明確になっているかだと思っています。

 

「膝関節の伸展制限があるからハムストリングスだな」とか「足関節の背屈制限があるから下腿三頭筋だな」というの考えでストレッチをしていてもやはり効果は得られにくいです。

 

ですが難しく考えすぎて介入ができない、もしくは介入する場所が的外れになってしまうと意味が無いので、深く考えながらも「簡単に」考える事が大切です。

 

そんな時にトリガーポイントの概念を知っておくと、普段の臨床の評価にプラスしてどの部位が痛むのかなどを組み合わせる事で、評価の信憑性が高まりますし、介入後の効果も高いものになると思います。

 

関節可動域制限のある方にも使用しやすい

これが一番の利点では無いかと思います。

一般的なストレッチは、どうしてもそのやられる人の関節可動域に依存してしまいます。加齢によって徐々に筋肉が短くなってそれに伴い関節の可動域が狭くなってしまっている方の場合は、関節可動域と筋肉の長さがそこまで不釣り合いにならないので、影響は少ないかもしれません。

 

 

ですが、外傷によって痛みが強く、本来の可動域まで関節を動かせない患者さんや麻痺の影響で動的に緊張が上がりやすい患者さんはどうでしょうか?

 

この場合は実際の筋肉の長さがまだ保たれている状態で、関節の可動域だけが制限を受けているので動かせる範囲だけでストレッチをしても筋肉の長さ維持したり、柔軟性を改善させたりは難しいのでは無いかと思います。

 

この場合は筋肉が短くなっている部分を集中して伸ばしていく必要があるため、この知識が必要になると思います。

 

筋肉の損傷のリスクが少ない

さっき痛みが強い手技って言ったのになんで損傷のリスクが少ないんだよ!

 

と思った方もいるかもしれませんが、これは本当です。

 

トリガーポイント系の手技がなぜ痛いのかは、トリガーポイントを形成している部分というのは過敏性が高まっている部分だからであると言えます。

 

 

実際トリガーポイントがある場所を触ると、少し押しただけでものすごい痛がる場合もあります。これは筋肉が損傷しているからではなくその部分の感覚が過敏になっているからです。そのため筋自体を直接損傷させるほどの刺激は実際には入っていない事が多いです。

だからと言って押していたいところが全てトリガーポイントだ!とか痛がるまで無理に押せば当然筋肉は損傷するリスクが高まりますので注意が必要です。またこの場合は急性炎症悪性新生物に関しては考慮していないので事前に既往歴や合併症を確認しておく事がリスクなく実施できるコツであると思います。

 

 

逆に筋硬結のある部分を無視して筋肉を無理にストレッチすると先に書いた例のように、柔らかいゴムだけが伸ばされるような状態になるので、健康であった他の筋肉が過剰な伸張により損傷してしまう可能性があります。

 

虚血性圧迫が苦手な人にも使える

これは私だけかもしれませんが、入院している患者さんの中には痛みやその他の要因で同一姿位をあまり取れない方も多いです。

 

トリガーポイントをリリースする時は虚血性圧迫が一番「楽」なのですが、一つの筋肉をリリースするのに大体1分間は圧迫を加えています。

参考

回復期に多い!?膝の痛みをトリガーポイントの知識を使って「楽」にする方法
どうも! 脱力系理学療法士のおはぎです! 今回は臨床で比較的遭遇する事の多い、膝関節の痛みについてです。 膝の痛みについて〜変形しているから痛いんですか?〜 膝関節の痛みを訴える人は、...

 

同一姿位を取れない方の場合、この方法ではなかなかリリースできないので動きの中でリリースできると非常にやるやすく感じる時があります。

 

ASTRの書籍にも書いていますが、伸ばす時は自動でも他動でもいいので、自主トレなんかにも生かしやすいですね。

 

最後に

今回は具体的な方法は記載していません。というのも方法は普段皆さんがやっているストレッチの方法で良いからです。

 

ちなみに先ほどから何回も出てきているASTRの書籍は筋ごとに方法が記載されているのでとてもオススメで、私もよく使っています。

 

普段から行なっているストレッチの方法にトリガーポイントの概念をプラスしてもらって、「筋硬結を押さえながら伸ばす」という感じでやってみてください。

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