骨盤調整を少し「楽」にする知識〜評価からアプローチまで〜

リハビリ関連
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どうも!

脱力系理学療法士のおはぎです!

 

 

今日は骨盤について、少しまとめてみました。

 

今更ですが、骨盤の重要性に関しては、リハビリの職種の方以外でも、トレーナーや他の自費のセラピストの人たちも既に知っている事と思います。

 

でも骨盤が大事なのはわかるけど、実際評価しようとすると難しいんですよね、、、。

私もよく「骨盤が崩れている」みたいな曖昧な表現をしてしまいがちになります。

 

骨盤って何がそんなに重要なの?

ではなぜ重要だと考えるのか?
その理由なんですが、皆さんは「アナトミートレイン」をご存知でしょうか?

以下商品紹介より引用
さあ、筋筋膜経線をたどる旅へ、アナトミー・トレインに乗って出発進行!
人体を走る「筋筋膜経線」を鉄道路線に見立て、姿勢・運動機能の制御、
ひずみによる機能障害のしくみを解説したトーマス・マイヤースの画期的なテキスト『アナトミー・トレイン』待望の第3版。
筋膜のつながりとその驚くべき機能が明らかになる。
「第11章 構造的分析」に症例紹介が加わり、より実践的な内容となった。Web動画付き。
リハビリテーションやボディワークに携わるすべての人へ。
引用:Amazon
「アナトミートレイン」とは、トーマス・マイヤースが考案した筋膜のつながりを列車(トレイン)に見立てたものです。
その筋膜ラインは上肢のラインを除くと、全て骨盤を通過しています。そのため、骨盤のアライメントが崩れてしまうと下肢のラインの全てに張力の異常をきたします。

飛躍して考えるなら、逆に骨盤のアライメントが整う事で下肢のラインの全てが調整される可能性があると考えています。 (ちょっとこれは飛躍しすぎた考えですかね(^▽^;)

 

それだけではありません。

アナトミー・トレインのラインはほぼ全て骨盤を通りますが、逆に骨盤にある関節、主に仙腸関節の可動性に関わる筋・筋膜にはアナトミー・トレインのライン上には無い筋肉があります。

代表的なものでいうと、梨状筋がそれに当たります。

梨状筋は股関節の外旋筋ですが、仙腸関節の安定化にも関わっており、股関節、骨盤のアプローチを行なう上で重要な筋であると思います。

 

しかし、梨状筋はアナトミートレインのどのラインにも属しません。

 

そのため、骨盤調整に対して、「アナトミートレイン」のライン上の筋膜や筋に対してアプローチを行なっても、効果が薄いもしくはあまり変化がないことがあります。

個人的な経験から話をすると、特に荷重時に増強するような症状に関しては効果が出しにくいような印象です。

例)大腿骨の骨折に対する術後の荷重時痛の訴えがある患者さんなどはライン上の筋・筋膜の調整では症状があまり変わらず、実際に症状を訴えている部分に直接アプローチする方が効果的なことが多いと感じています。

 

筋膜の勉強をしているセラピストのあるあるかもしれませんが、アナトミー・トレインや筋膜の繋がり関係の勉強をしていると、症状がある部位よりも遠位の部位、または近位の部位にアプローチしてしまいがちかなと思います。(私だけかもしれませんが笑)

筋膜へのアプローチが良く無いということではなく、要は何事も評価してバランスよくみるということだと思います。

 

話がそれましたね(汗

話を戻すと、アナトミー・トレインの調整で効果が得られなかった場合、骨盤を構成する要素(筋・骨格系)に対しても評価・アプローチをする必要があると考えます。

そのため骨盤の重要性をまとめると、

  • アナトミートレインのラインの調整を補助する場合
  • アナトミートレインの概念では介入しにくい症状

 

に対しては、骨盤へのアプローチが必要なんじゃないかなと考えています。

今の臨床では私はそんな感覚で骨盤を捉えています。

 

骨盤調整のための評価

ではその大切な骨盤をどのように評価し治療して行くのか?

そのためには骨盤が存在している意味を考えるとわかりやすいと思います。 骨盤は内臓の保護などの役割もありますが、立位においては下肢からの荷重を伝達する事が重要だと考えています。

 

実際のところ骨盤を安定させる筋肉は様々あり、実際のところ細かく評価しようとするとすごく複雑になると思います。

書籍などの評価方法を見ても、評価方法が少し難しそうだったり、徒手的な技術が求められたりと大変なイメージしかありません。

 

評価が難しかったり、複雑に考えすぎてしまうとそれだけでアプローチするのに時間がかかってしまったりするので、苦手意識がついてしまいます。

 

なのでその部分をなるべく「簡単」に評価して、なるべく早い段階でアプローチする場所を明確にしていくようにしています。

 

評価方法ですが、今現在私自身が行っている方法を2つ紹介していきます。

 

片脚立位での評価

骨盤には安定する条件があります。

 

その条件とは仙骨がニューテーションしていることです。

ニューテーションとは仙骨が寛骨に対して前方へ倒れるような運動をすることです。寛骨が仙骨に対して後方へ倒れる(寛骨の後方回旋)動きでも同じ事が起こります。

 

仙骨の動きだけで見て評価するのは視覚的にも触診的にも難しいので私はよく寛骨から見るようにしています。

片脚立位が取れるで場合(上肢支持ありでも可)、荷重がかかった時に上後腸骨棘(骨盤の後ろの出っ張り、PSISとも言います)仙骨を触って動きを確認します。

 

仙骨がニューテーションしていれば、PSISが少し下に動くか、ほぼ動きません

 

逆に仙骨がニューテーションしていない場合は、PSISが上に動く、もしくは上前方に傾くように動く感じがします。

片脚立位で見るところはここだけです。
立位を取るのが大変な場合や、より詳細に機能をみたい場合は「ASLRテスト」で確認します。

 

ASLRテスト Active Straight Leg Raising Test

下肢伸展挙上テスト(以下ASLRテスト)はリハビリ職種の方は馴染みの評価だと思います。

 

ASLRテストとは仰向けの状態で両脚を膝を伸ばしたまま、片方の脚を上に持ち上げていただき、その時の努力性動作中の疼痛下肢の自覚的な重さで判断します。

片脚立位が取れた人であれば、仙骨のニューテーションしていなかった方とこのASLRテストで陽性になった方一致するかも確認します。(一致していればより骨盤の評価の信頼性が高まりますね!)

その後に

  1. 両側上前腸骨棘(ASIS)への圧迫→内腹斜筋と腹横筋の機能を補償
  2. 恥骨結合への圧迫→内腹斜筋と前面の骨盤低筋群の機能を補償
  3. 仙腸関節への圧迫→多裂筋の機能を補償
  4. 坐骨結合への圧迫→後面の骨盤底筋群の機能を補償

をそれぞれ行い、症状の変化が起こるかを確認します。

症状が増強する場合はその部位に対する圧迫が元々強いことによる力の伝達不良と捉える事ができ、症状が軽減する場合は、圧迫が弱い事による伝達不良と捉える事が出来ます。

症状が変化した場所があれば、そこに対するアプローチを行なっていくという感じですね。

 

例)仙腸関節の圧迫で症状が軽減する場合は、多裂筋の機能不全であると仮定し、多裂筋の収縮を促していく。その後再度ASLRテストにて症状の軽快があるかを確認していく。

 

症状が増強していれば対象となる筋をリリースしていき、症状が軽減していれば、対象の筋の収縮を賦活させていくイメージで行えると良いと思います。

 

骨盤調整のための評価 〜仙腸関節の「楽」な評価方法〜

2つ目の評価ですが、これはさらに簡便化させたものです。私は普段からこれをスクリーニング的に行うことにしています。

評価対象は仙腸関節です。

仙腸関節は触診が難しかったり大変なイメージが多いかなと思います。
評価しようにも仙腸関節の動きが少ないため触診してもどこが硬いか感じるのは難しいし、アプローチも仙腸関節のモビライゼーションとか無理!

 

と思ったので、私はいつも股関節の屈伸の可動域もしくは抵抗感で判断するようにしています。

 

なぜ股関節屈伸の抵抗感で判断できるのか?

股関節は屈曲の時に骨盤の後方回旋を伴い、伸展は前方回旋を伴います。

寛骨の前方回旋を起こす筋で主なものは多裂筋であり、逆に後方回旋させるのは坐骨尾骨筋だと言われています。

つまり

  • 屈曲で硬い=寛骨の後方回旋不十分=多裂筋の硬さ
  • 伸展で硬い=寛骨の前方回旋不十分=坐骨尾骨筋の硬さ

という解釈をすることができ、比較的簡単に骨盤に対してどこにアプローチしなければならないかを判断できます。

 

骨盤調整に対する介入のまとめ

  • ASLRテストで症状に変化が見られた部位に対して、筋をリリースもしくは収縮を賦活させる。
  • 股関節の屈伸の可動域・抵抗感によって、多裂筋もしくは坐骨尾骨筋のリリースを行う。

最後に

仙腸関節のモビライゼーションの方法を知っている、もしくは少しならできるよって方は、自身の触診上の感覚とこの評価での結果を照らし合わせて行くと、モビライゼーションで得た情報がより信頼性の高いものになり、「この評価であっているのかな?」という不安も少し軽減するのでは無いかなと思います。

 

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