回復期に多い!?膝の痛みをトリガーポイントの知識を使って「楽」にする方法

リハビリ関連
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どうも!

脱力系理学療法士のおはぎです!

 

今回は臨床で比較的遭遇する事の多い、膝関節の痛みについてです。

膝の痛みについて〜変形しているから痛いんですか?〜

膝関節の痛みを訴える人は、膝関節の疾患の有る無しに関わらず結構耳にすることが多いです。

 

よく言われるのは

 

「関節が変形してるので痛みがでていますね』

「軟骨がすり減っているので痛みが出ていますね」

 

 

のように関節の変形があることで痛みが生じていると説明されていることが多いと思います。

 

ですが、実際にはレントゲンの所見的にもあまり変形が大きく無い方が、とても強い痛みを訴えていたりする場合もあれば、明らかに膝関節が変形していても痛みを全然訴えない場合も経験します。

 

そのため、膝関節の痛みの原因を一概に変形と一括りにして、アプローチしても思ったような効果は得られにくいと感じます。

関節の解剖 〜軟骨がすり減るとはどういうことか?〜

関節とは関節包という袋の中にいろいろなものが入っています。膝関節の痛みについてよく言われる原因として代表的なものが関節軟骨と言われる、クッション材のようなものです。

 

 

軟骨とは
軟骨(なんこつ、: cartilage)は、軟骨細胞とそれを取り囲む基質からなる結合組織であるが、組織中には血管神経リンパ管が見られない。弾力性があり、脊椎動物に比較的発達している。

引用:wikipedia

 

 

これに加えて、滑液という潤滑油が関節の中にあることで、関節はスムーズに動くことができています。

 

 

重要な事は、この関節軟骨には神経が通っていないということです。

 

 

考えてみたら当たり前で、クッションになるところに感覚があったら体重が膝にかかる度に痛くてしょうがないですよね。

 

 

ということは実際は軟骨に痛みを感じる受容器は無いので、すり減っても痛くないはずですよね?もし起こるとすれば変形が進んで、軟骨から骨膜が露出し骨膜を刺激した時に初めて痛みが出るはずです。

骨膜には感覚受容器があるので痛みを感じます。ちなみに骨折で痛みが出る理由もこの骨膜が傷つくことで痛みが出ます。余談ですが、回復期などでは多い疾患の大腿骨頸部骨折は関節内骨折と言われており、骨膜がないのでこの骨折単体での痛みはあまりないと言われています。

 

ですがこの考えでいくと、変形の末期にしか痛みが起こらないはずです。だけど変形が少ない時点でも痛みが起こるのはなぜか?

 

 

その答えの1つとして、トリガーポイントがあると思っています。

 

 

トリガーポイントで痛みが起きる要因

トリガーポイントの概要については以前記事にしていますのでそちらもご覧ください。

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トリガーポイントとは

トリガーポイント: Trigger point)とは、圧迫やの刺入、加熱または冷却などによって関連域に関連痛を引き起こす体表上の部位のことである[1]。トリガーポイントは単なる圧痛点ではなく、関連痛を引き起こす部位であることに注意が必要である。平たく言えば、患者が指摘する最も凝りの強い部位、あるいは痛みが存在する部位で、しかも圧迫により痛みが周囲に広がる部位と考えられる。トリガーポイントの留意点としては、疼痛を自覚している部位に多くは存在するけれども、かけ離れた部位に見いだされることもある点である。[2]

なお、トリガーとは「引き金」の意味である[3]。そのため、発痛点(はっつうてん)とも呼ばれる[4]

引用:wikipedia

 

簡単にいうと、筋肉の中にある「コリ」のことです。この「コリ」が関連痛と言われる痛みを引き起こすと言われていますが、作用機序に関してはまだ不明な点も多いと言われています。

 

 

ただトリガーポイントがある場所に関しては、ほぼ例外なく強い痛みが出現します。そしてその痛みは高い再現性がみられることが多いです。

 

トリガーポイントが起こる要因は意識的・無意識的にかかわらず主には筋肉の使い過ぎが原因であるとされています。

 

 

またトリガーポイントによる痛みが持続する要因としては様々あり

  • 力学的な負荷が続いている場合→姿勢、習慣など
  • 栄養不足→主にビタミン、ミネラル不足
  • 代謝異常→ニコチン、カフェイン、アルコールの過剰摂取など
  • 心理面緊張→不安、イライラ

などが挙げられます。

 

トリガーポイントに対してのアプローチとしては、基本的にはそのトリガーポイントを沈静化させることを中心に行なっていきます。

 

 

トリガーポイントへのアプローチ 〜個人的に思う「楽」な方法〜

トリガーポイントへのアプローチの方法としては一番シンプルで「簡単」なのが、虚血性圧迫と言われる方法です。

 

 

言葉が難しいと抵抗感がありますが、要は「押す」ということです。

 

 

筋肉のコリを取る方法は、そのコリのある部分の血流が改善することにあります。

 

 

虚血性圧迫で血流が改善するメカニズムのわかりやすい例があります。

 

 

ホースの口を手で止めた状態で、水を出そうとすると口を止めているため最初は流れませんよね。しかしある程度貯めた状態で急にその口を止めていた手を話すと水が一気に吹き出すと思います。

 

 

虚血性圧迫を加えた筋肉周囲の血管にもこれと同じような現象が起こると考えられ、それによって周囲の血流が改善するのではないかと思います。

 

 

そのほかの手技としてはストレッチなど持続的伸長を用いる方法やストロークのような直接筋膜を動かしていくような手技もあります。

 

 

部位別のトリガーポイント紹介

ここからは膝関節の疼痛の場所ごとのトリガーポイントとセルフケアの方法を一部紹介していきたいと思います。

トリガーポイントは実際かなりの種類が存在しているので今回は私が臨床で経験した事のある部分を中心に話していきたいと思います。

 

今回セルフケアに使用するものとして、比較的手に入りやすく、そして安価なテニスボールを使用した方法を記載していきたいと思います。

 

テニスボールを使用して圧迫する場合は1分程度を目安に行います。

また実施中に痺れが増強したり、疼痛がどんどん強くなっている場合や腫れている場所に対しては使用しない方が良いです。

 

膝関節が全体的に痛い場合

 

対象の筋肉:大腿直筋

セルフケア紹介

大腿直筋のトリガーポイントは起始部周辺に多いので、起始部周囲をテニスボールで直接圧迫します。

または、伏臥位になって起始部と床面でボールを挟むようにすれば寝てるだけでリリースがで

きます。

膝関節の内側が痛い場合

 

対象の筋肉:内側広筋、縫工筋

膝蓋骨周囲も含めて内側が痛む場合は内側広筋、より遠位に痛みがある場合は縫工筋の可能性が高いです。

セルフケア紹介

内側広筋の場合は、膝蓋骨の上内側にトリガーポイントができやすいため、下記図のあたりをテニスボールを使用して圧迫します。

縫工筋の場合、大腿部の遠位内側付近をテニスボールを使用して圧迫します。

膝関節の外側が痛い場合

対象の筋肉:外側広筋

セルフケア紹介

内側広筋と同様に膝蓋骨周囲にできやすいので、膝蓋骨から上外側(下記図)の位置を圧迫します。

膝関節の後面が痛い場合

対象の筋肉:足底筋・膝窩筋

セルフケア紹介

膝関節の後面でテニスボールを挟むようにして圧迫をします。人工膝関節置換術をされた方の場合は膝関節が120°程度までしか曲がらないためこの方法は難しいです。その場合は長座位で膝関節の後面を圧迫する方が安全に行えます。

 

最後に

今回はトリガーポイントの概念を用いて、膝関節の痛みに対してのセルフケアを紹介しました。この知識はセルフケアだけでなく、同じ部位をセラピストが行えば徒手的な介入もできますし、トリガーポイントを形成している筋肉の過剰使用を避けるように動作指導を行えば疼痛の予防に対してもアプローチができるため、比較的痛みに対しての考え方が「楽」になると思っています。

 

もちろんトリガーポイントだけで全ての痛みが取れるわけではありません

 

しかし今ある知識や技術などをより生かしていくためにも、トリガーポイントの概念はとても参考になると思います。

 

より詳しく知りたい方は、書籍がたくさん出ているので参考にしてみてください。

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