動作分析を「楽」にする知識

リハビリ関連
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今回は動作観察についての話です。

動作分析、、、。

 

みなさんも日頃の臨床でやってないなんてことはまずないと思いますが、難しいですよね。

 

特に新人の時や学生時代なんかは

 

 

何から見ていいかわかんないよ!

 

 

って感じでした。

 

私も学生時代、実習中はとりあえず「教科書通りの動きになっているかどうか」だけを見ている感じでした。あとは動作をただただ運動学的な用語で書くだけというような感じでした。

そのためよくバイザーの先生に指導されました。

 

臨床実習でバイザーに言われたのは、

 

「今のお前では患者は100%、いや300%治せねえな。」

 

 

学生ながらショックでしたね、、、。

 

でも今になって思えば、学生時代の動作の捉え方では、お世辞でも患者さんの動作を改善していくための動作分析なんか全然できていなかったと思います。

 

それは以前の私が正常からの逸脱だけを捉えてしまうような観察をしていたからです。

それだと実際患者さんの問題点を予測する事が難しいですよね?

 

なぜ動作分析が難しいのか?

正常と違うってだけを見てたら、高齢者の動作はほぼ正常から逸脱しています。

ここでいう正常な動作というのは教科書や専門書に記載されている動き方のことです。その場合、私の知る限りほとんどが健常者でしかも成人をモデルにしたものが多いので、高齢者の動作のスタンダードはないと思います。

また生まれつき先天性の骨の変形がある場合なんかは生れながら正常と異なる動きをしているわけですから、教科書の動作通りになる訳がないです。

さらに軽傷の方の場合は、全然正常との違いがわからないなんて事は多いと思います。

 

 

そもそも運動のパターンは生活様式でも様々なバリエーションがあるため、

正常と違うってだけを考えてしまうと問題点が絞れ無いor問題点がわからないってことになりやすいと思います。

私も今臨床で6年目になりますが、正直言ってまだまだだなと思っています。

出来ない動作をどうすれば出来るようになるかを考えて動作分析をする場合、その動作のできない部分に着目すれば良いので、どこが原因で出来ていないかは予想がつきやすいと思います。

 

しかし、出来るんだけどやりにくいとか、出るんだけど痛みがでるなど動作の質を改善させていかなければならない場合は、すでに出来ている動作から問題点を出さなければなりません。

 

そのため、正常からの逸脱だけではわからない部分も観察していく必要があります。

 

個人的に重要だと思う視点は

  • 身体重心の位置を把握すること
  • 動きの中でどんな筋活動が起きているか予測すること
  • 実際に操作、誘導してみて症状が変化するのか確認すること

です。

動作分析に重要な視点〜身体重心の把握〜

身体重心の位置を把握することは姿勢観察の記事でも書いたのですが、身体質量中心で見ると良いです。

姿勢観察の記事はこちら

姿勢分析を「楽」にするための診るべきポイント
セラピストの方は毎日患者さん、利用者さんの動作を観察して、問題点などを探し出していると思います。私も毎日臨床で患者さんの動作を観察して毎日分析しています。 ただやっぱり大変ですよね? 臨床6年目に...

 

 

質量中心とは

物体または質点系質量分布平均的位置にある点。重心一致する。質量中心は系の各部作用するすべての外力合力に依って運動し,外力作用しないときには等速度運動する。
引用:Weblio辞書

 

人の身体も物体なので、勿論この質量中心は存在します。

上半身の質量中心は第7〜9胸椎の高さにあり、
(胸骨剣状突起あたりですね)

下半身の質量中心は大腿骨の1/2〜2/3の高さにあると言われています。

 

 

そして上半身と下半身の質量中心を結んだ中点に身体質量中心があると言われています。

そのため上半身と下半身のどちらの質量中心が動いても、身体重心が移動する事になります。

 

運動時は基本的に足が地面についているので、下半身の質量中心は基本的には動いていないことが多いです。

 

そのため、動作分析の時は上半身の質量中心がどのように動いているかを見るようにしています。

 

なぜ質量中心を見るのかと言われれば、それが一番簡単だからです。

先程も書きましたように、動作というのは人それぞれの生活様式や加齢によって変化しています。

しかしその動作を成立させるため必要な要素というのは基本的には変わりません

その1つに重心の移動があります。

 

動作においての重心移動〜立ち上がり動作を例に〜

立ち上がりを例にすると、立ち上がりとは基本的に前に目的のものがあるか、用事がある場合に行うので、重心を前方に移動させる必要があります。

 

そのため動作分析する場合はまず上半身の質量中心が前方に移動できているか

詳しくいうと、上半身の質量中心が起立後に支持面になる足部の上に移動出来ているか

これだけを見ます。

質量中心の移動が不十分である場合があれば、どの関節が質量中心の移動を妨げているのかを確認するという順番で見ていく事で、問題点も絞りやすいので混乱せずにすみますね。

 

 

筋活動を予測しよう〜クラインフォーゲルバッハの運動学〜

機器を使わずに視覚的な観察で行なえて、全身的に観やすく、しかも力学的に捕らえているので身体に要求される活動を直接分析できる方法を提供しているのがクライン・フォーゲルバッハの運動学である。

引用:クライン・フォーゲルバッハの運動学,冨田昌夫

 

クライン・フォーゲルバッハの運動学の中にはいろいろな用語が出てくるのですが、全て把握しようとするとかなり難しいので、ここでは個人的に動作観察時に使用している用語を説明します。

 

テンタクル活動

簡単にいうと、開放性運動連載(OKC)のことです。

この場合、末梢の動きを保証するために、中枢側の固定が必要になります。またテンタクル活動の時は動いている分節の上側の筋活動が起こります。

 

例としては手をそのまま上にあげるような動作や、下肢でいうと下肢伸展挙上動作(SLR)などがそれに当たります。

 

ブリッジ活動

こちらは閉鎖性運動連鎖(CKC)のことです。

 

この場合、筋活動としては分節の下側の筋活動が起こります。

 

例でいうと、背臥位でのヒップアップ動作がそれに当たりますね。

 

動作中の確認方法

ヒップアップ動作を例にして説明します。

まず動作を起こしている部分の末梢の分節が床面に接しているのかどうかを確認します。

ここで抹消というのは、足部と背中の部分です。

 

足部・背中が床面に接していれば、ブリッジ活動が起こっています。そのため筋活動はその分節の下側の部分で起こっているので、下肢後面〜臀部を通って体幹の背面に筋活動が起こっていると予想できます。

 

仮に足部が地面に接していない状態でヒップアップを仮に行ったとすると(それ実際出来んのか?)ブリッジ活動が成立せず、テンタクル活動になっているので、筋活動としては下肢前面〜体幹の前面に観られることが予想できます。

 

これにより動作中にどの筋活動が優位であるかがわかりやすくなると思います。

観てるだけでは結局わからない?〜ハンドリング〜

色々書いてきましたが結局のところ、

 

 

観てるだけじゃよくわかんない!?

 

 

なんです。

 

そこでハンドリングという技術が必要になります。

 

動作の誘導を行うことで、患者さんの動作に変化が見られれば介入した内容によって、問題点がある程度絞り込めるという訳です。

私はいつも

  • 口頭指示で出来る→まだ運動学習が進んでいない
  • 徒手で誘導して出来る→その時の筋活動がまた乏しい、自動での可動域が足りない、負荷量が大きすぎる
  • それでもダメ→根本的な可動域が足りていない

と考えます。

 

ですがこれにはやや欠点というか少し「楽」じゃない部分があって、ある程度動作の誘導が上手くならないといけない

 

ということですね。

 

個人的な感覚ですが、まず相手に優しく触れて、相手の動きに合わせるようにします。その後、「もう少しこっちに動いて欲しいなー」という方に自分が動いて相手に知らせていくようなイメージで行うとやりやすいと感じています。

 

最後に

動作分析は正直難しいですし、自分ももっと上手くならなきゃなって思います。

 

大事なことは頭の中だけで考えるのではなく、実際に患者さんを触らせてもらって、動作時にどんな身体の反応があるのかを感じ取ることだと思います。

 

これは意識していないとできないことなので、明日から早速意識しながらやって見て下さい!

 

今回の記事を読んで、今後の臨床にいかせていただければと思います。

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