表情が心理・身体に与える影響

徒手療法

今回は表情、顔面の筋肉が身体面や心理面にどのような影響を与えているのかをまとめてみました。

 

 

リラクゼーション系のセラピストであれば、顔面の筋をほぐしたり、エステ系のセラピストで有れば、リフトアップを行ったりと触る機会が多いと思います。

 

 

リハビリのセラピストの場合は、嚥下機能の低下が見られる患者さんの場合なんかは触れることがあるかもしれませんね。

 

 

ちなみにおはぎの場合は、嚥下機能の低下などなくても触れることは多いです。

 

 

それは、顔面の筋の動き、つまり表情というのには全身に影響を与える要素があるからです。

 

表情が心理面に与える影響

身体心理学の領域では、表情もレスペラント反応の一つとされており、表情が心理面に与える影響についての実験が行われています。

参考

表情の実験の場合、「笑ってください」などと指示してしまうと、それだけで心理的な部分へ影響してしまい、バイアスがかかってしまいます。

 

そのため、「笑顔=口角が上がる」という具合に、表情の指定はせず、顔のパーツをどのように動かすかを規定して、その際の心理状況の変化を観察すると言った実験が多いようです。

 

その中に「口角が上がっていると、通常よりも楽しさを感じることが多い」

と言った結果が出たものがあります。

 

 

このことは、つまり「楽しい➡︎笑う」だけではなく「笑う➡︎楽しい」という順番もあり得ることを示唆しています。

 

 

口角が上がっていることで、楽しい気持ちになるのであれば、反対に口角が下がっていれば悲しい気持ちや不安気持ち、怒りなどのネガティブな感情が起こりやすくなる可能性も考えられます。

 

 

確かに運動中のことを思い出してみると、力を思いっきり入れている時や動く時に痛みを伴う時などは、口角が下がり、口を締めていることが多いように思います。

 

 

もしかすると、「痛みがある➡︎嫌な気持ちになる➡︎口角が下がっている」という流れの他に、「口角が下がっている➡︎嫌な気持ちになる➡︎痛みが強くなる」のようなことも視野に入れながら臨床を行えるとアプローチの幅が広がるのではないでしょうか。

 

表情➡︎心理面の変化➡︎姿勢の変化とい繋がりで考える

表情の変化により心理面への変化が起きると仮定すると、そこからさらに発展させて考えることも出来るのではないでしょうか。

 

 

例えば姿勢です。

 

 

いうまでもありませんが、心理面の影響は姿勢にも影響しています。

 

身体心理学では、姿勢に関してもレスペラント反応の一つと言われているからです。

 

 

今回は姿勢が心理面に与える影響の話はまた後日にして、心理面が姿勢に与える影響の話だけしていきます。

 

 

いいことがあった時や、楽しいことがあった時にどんな姿勢になるか想像していてください。

 

 

だいたいの方は、顔が上がって少し胸が張っていてどちらかというと真っ直ぐな姿勢を思い浮かべたのではないでしょうか?

 

 

反対に具合が悪い、気持ちが乗らないネガティブな時の姿勢はどうでしょう?

 

 

 

頭が下がって、視線は下を向いており肩なんかももしかしたら下がって猫背になっているかもしれませんね。

 

 

ポジティブとネガティブの感情だけではなく、例えばどこでもいいので痛みがあって、その痛みを我慢している時を想像して見ましょう。

 

 

 

それぞれ差はあると思いますが、少し体が丸くなっているとこを想像しませんでしたか?

 

 

 

痛みがあったり、身体を守ろうとする反応が出るときは、無意識に屈筋の緊張が高まりやすいと言われています。

実際のところはわかりませんが、腹部周囲には生命維持をするために必要な内臓が入っているため、無意識にそれを守ろうとしてるのではないかと思われます。

 

 

 

このように心理面に変化が起こると、姿勢に変化が生じます。

先ほどの話に戻ると、表情が心理面に変化を与えることがわかっているので、

 

 

「表情=顔面の筋の変化➡︎心理面への変化➡︎姿勢の変化」

 

 

という繋がりが生じます。

極論的に言うと、姿勢を変えるために四肢・体幹へのアプローチだけでは不十分で、顔面の筋へのアプローチも重要になってくると言うことです。

 

 

顔面筋の成り立ちから考える表情と姿勢の関係

顔面筋は元々エラ(鰓弓)の筋肉と言われています。

 

 

現在の僕たちの体にはもちろんエラは退化しているので存在していませんが、

 

 

それは顔面の筋や頸部の筋や骨などに変化しているのです。

 

 

そのエラから発生する筋の中には顎二腹筋など舌骨上筋群はアナトミートレインで言う所のディープフロントライン(DFL)上の筋です。

 

 

DFLの働きは、身体の深部で身体を支えるシャーシのような働きがあると言われています。

 

 

姿勢においても最重要なラインであり、書籍では身体の不調はまずこのDFLに異常が生じその他の別のラインがこの異常を代償することによって、自覚症状に現れるとされています。

 

参考

アナトミートレインを意識して、全身の繋がりを「楽」に捉えよう。
今はまさに筋膜ブームと言わんばかりに様々な書籍が出ています。 そんな中、リハビリの分野ではその筋膜の繋がりを比較的簡単に表してくれている概念があります。 それが アナトミートレインです。 アナトミートレインと...

 

顔面の筋には筋膜の繋がりで全身に影響を与える可能性があります。

 

つまり、

表情が硬い人の場合、DFLを中心に身体の中心に近い筋肉も硬く緊張しているため、その他のラインが機能を代償しているため、姿勢アライメントが崩れていることが予想され、結果として動きにくい体になっている。

 

逆に表情が豊かな人は、中止部の筋肉も柔軟であるため各ライン同士も協調的に動けることになり、身体も動かしやすいということが予想されます。

 

表情に対してのアプローチ方法

そんな重要な顔面の筋ですが、アプローチの方法としては大きく2つあります。

 

 

一つは徒手的に直接アプローチする方法です。

 

 

方法は特にこだわらなくても良いと思っていますが、顔面筋は四肢や体幹の筋と異なり、関節の大きな運動を起こすわけではないので、筋硬結がある部位などを直接リリースして行くような方法が有効かと思います。

 

特に目の周囲の筋肉や目の働きは頸部の筋と連動しているので顔面筋の緊張を緩めることは頸部の緊張をはじめ身体の中心部の緊張を緩めることに繋がり、姿勢や動作を変化させる事ができる可能性があります。

 

 

笑えば、、、いいと思うよ、、、

もう一つの方法が自分で動かしてもらう方法ですね。

 

 

これは例えばよく一般的に言われているような嚥下体操なども含まれてくると思います。

 

 

 

ですが今回はそう言う方法ではく、また別の切り口からの紹介をします。

 

別の方法ですが、

患者さん、利用者さんが自然に笑えるように話題を提供したり、なんだったら少し冗談を言って笑かせることも一つのアプローチであると思います。

 

 

これは昔の話ですが、

僕が病棟勤務時代に、介入中に世間話をして談笑しているセラピストを見ると、

 

 

「ペラペラ雑談してるんじゃないよ!」

 

 

とかいつも思ってたんですけど、

表情と身体への影響を学ぶんで行くと、また違った解釈ができるようになりました。

 

 

「もしかしたら緊張を緩和させる方法としての笑いはありなんじゃないか」と

 

 

つまり談笑も1つの手技として働く可能性があると思いました。

 

ただ話してたらいいわけじゃないんですけどね。何事も程度が肝心です。
ただ徒手的な技術だけではなく、こういった表情に対するアプローチも考えながら日々臨床をおこなて行くようにしています。

最後に

今回は表情の与える身体への影響や心理面への影響をまとめて見ました。

 

 

ロルフィングなどのボディーワークの間では、表情と姿勢の関係性などはすでに言われている部分ですが、リハビリの業界ではまだまだコアな内容に感じます。

 

 

僕は理学療法士ですが、正直言って、顔面の筋についてはまだまだ他の職種の方と比べると知識も技術も追いついていないと思います。

 

ですが今回のことを踏まえて、

少し表情についてのアプローチを見直して行くきっかけになれば幸いです。

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