トリガーポイントを使った腓骨筋の簡単なほぐし方

トリガーポイント
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今回の筋肉のほぐし方シリーズは腓骨筋です。
腓骨筋は下腿部にある筋肉で、左右の重心移動を行う際に重要になってくる筋肉です。

腓骨筋の解剖学

©teamLabBody-3D Motion Human Anatomy

腓骨筋は長腓骨筋と短腓骨筋に分かれています。

長腓骨筋

起始:腓骨頭、腓骨外側上部2/3

停止:第5中足骨底を超えて、底側面。第1中足骨底の底側面と外側面。内側楔状骨。

作用:足関節の外反、底屈の補助

 

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短腓骨筋

起始:腓骨の外側面遠位2/3、長腓骨筋の深部に付着

停止:第5中足骨底の背側面

作用:長腓骨筋と同様

 

作用としては、足関節の外反が主な機能である腓骨筋です。それだけだと「腓骨筋って何が重要なの?」って思うかもしれません。

 

しかーし、腓骨筋は荷重時にとても重要な役割を果たしています。

 

腓骨筋の過剰使用のパターンと不使用のパターン

個人的には腓骨筋は過剰使用している場合と不使用の場合が同時に起こっていることが多いんじゃないかなと思います。

 

またわけわからんこと言い出しましたよこの人。(←お前だよw)

どういうことかというと、腓骨筋に問題がある場合、下腿が過度に外側方向に傾斜をしてしまうので身体を支えるときに腓骨筋の収縮で支えるというよりか、筋の緊張のみで支えるような形になりやすいと思います。

 

疾患でいうと、変形性膝関節症の方や脳卒中の片麻痺の方などに多い印象です。

 

そうすると、筋自体は過剰に使用しているにも関わらず、筋は過度に伸張されていることから収縮力は発揮しにくい状態になり、不使用になってしまうということが考えられます。

 

その他の要因としては、この筋にトリガーポイントができている人は、足関節が不安定な状態になりやすいと言われており、よく捻挫をすると言われています。そのため捻挫癖のある方などは、腓骨筋のトリガーポイントを疑ってみると良いと思います。

 

 

腓骨筋が与える影響〜歩行時の膝関節の安定性〜

腓骨筋の柔軟性が低下したり、トリガーポイントの形成により筋の出力が発揮しにくいの状態になってしまうと、荷重を骨(脛骨)で支える感覚ではなくなってしまいます。

 

そうすると身体を支えるために必要以上の筋緊張が必要になったり、力学的に不安定な状態になりやすくなってしまうと思います。

 

この状態が動作において、不安定性を生じさせます。

 

歩行動作を例にあげてみます。

 

歩行時では腓骨筋がうまく使えていないと、単脚支持期の際にハムストリングスの筋緊張が亢進しやすくなるので、下腿が前方に傾斜しにくくなり反張膝が出現しやすくなったりします。また腓骨筋はハムストリングスト筋膜的な繋がりを有しているので、特に腓骨筋の影響を受けやすいと言えます。

 

腓骨筋と骨盤の不安定性の関連

また腓骨筋は骨盤(仙腸関節)の安定化作用に関与しているとされています。

 

理由としては、腓骨筋は深部縦方向安定化システムの一部になっていることが理由にあります。

 

深部縦方向安定化システムとは

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構成要素:脊柱起立筋、仙結節靭帯、大腿二頭筋、長短腓骨筋、前脛骨筋

主に身体の後方を通る筋によって構成されています。大腿二頭筋が仙結節靭帯を介して、仙骨をカウンターニューテーション方向に誘導してしまうので、このシステムの筋群には柔軟性が求められています。

 

しかし仙腸関節や腰椎の機能障害に伴い、過緊張になりやすいと言われているのでこのシステムの筋群の柔軟性の低下は骨盤を不安定にさせてしまう可能性が高いと言えます。

 

逆に言えば、骨盤の不安定性がある場合、このシステムの筋群の柔軟性の低下が示唆されるとも考えられます。

 

他にもこの深部縦方向安定化システムはアナトミー・トレインにおける、スパイラル・ライン(SPL)の一部でもありますね。

参考

アナトミートレインを意識して、全身の繋がりを「楽」に捉えよう。
今はまさに筋膜ブームと言わんばかりに様々な書籍が出ています。 そんな中、リハビリの分野ではその筋膜の繋がりを比較的簡単に表してくれている概念があります。 それが アナトミートレインです。 アナトミートレインと...

 

腓骨筋の関連痛領域

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腓腹筋は筋と疼痛の部位がほとんど変わらないのでややこしくないですね。

腓骨筋の関連痛領域としては、主に下腿の外側から足部の外側にかけての疼痛を引き起こします。

深腓骨神経麻痺の症状と似ている場合もありますが、それは腓骨筋のトリガーポイントが深腓骨神経を圧迫するためであると言われています。

 

腓骨筋のほぐすポイント

 

腓骨筋をほぐすポイントとしては、腓骨頭と外果をランドマークにして行くとわかりやすいです。

長腓骨筋の場合は、腓骨頭から3横指下方、短腓骨筋は外果から5横指上方にトリガーポイントができやすいと言われているので、そこを中心にほぐしていけると良いと思います。

 

また他には、小臀筋のトリガーポイントは、腓腹筋の関連痛領域にも疼痛を引き起こすので、腓腹筋のリリース後も症状が残存する場合は小臀筋も評価してみると良いと思います。

 

最後に

今回は腓骨筋のほぐすポイントを紹介しました。

 

腓骨筋は単体で見ると、足部の外反作用以外にどんな役割があるのかイメージしにくいですが、システムで理解していくと色々と重要な要素が腓骨筋にはあると思います。

 

今回の記事をきっかけに、

「足部の不安定性があるから腓骨筋に異常はないかな?」

「骨盤の不安定性があるけど腓骨筋見てみようかな?」

など腓骨筋を評価してみようと思ってくれる人がいたら幸いに思います。

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